基礎工事部

GRB工法

施工空間に関わる制約条件を克服し、仮設レス施工で圧入連続壁を構築。

反力を基調とするシステム工法

圧入機は、地球と一体化した完成杭に反力を求め、その天端を自走しながら作業を進める。この反力を基調とした施工原理をさらに発展させ、圧入連続壁体を構築する全工程、つまり杭の搬送・吊込み・圧入という連続作業を全て完成杭上で行う施工技術、それが「GRBシステム」である。
システム機器の基本構成は、圧入機本体を先頭に動力源であるパワーユニットとユニットランナー、杭を吊込むクランプクレーン、作業基地から杭を搬送するパイルランナーが杭天端を作業軌道として圧入工程を完了する。作業工程を逆に辿れば撤去作業となるため、インプラント構造物の構築・改築・解体・移設に優れた効果を発揮する。

仮設レス施工を実施

従来の杭打設工法では杭打ち機の他にも関連工事車両が必要となり、現場条件によっては大掛かりな付帯設備や仮設工事が欠かせない。
しかし、工事のための工事である仮設工事は本来不要である。そこに多大な費用と時間をかけざるを得ない工法は、施工原理そのものに何らかの誤りがあり、建設の五大原則を満たすことはできない。
一方、完成杭上で全ての工程を完了するGRBシステムは、工事の影響範囲が杭上の施工機械幅のみにまで極小化されており、水辺離陸地、傾斜・不整地、狭隘地、低空頭地など困難な現場条件下でも仮設桟橋や迂回道路は不要である。本来の目的である壁体構築工事だけを合理的に行う“仮設レス施工”を実現し、建設の五大原則を高いレベルで遵守している。
従って、台風や集中豪雨の水害対策として緊急を要する護岸改修工事など、建物が近接して工事用地が狭い現場でも、防災上の観点から流路を阻害せず、近隣構造物や周辺住民に影響を与えぬまま、工事本来の目的を達成することができる。